Google、次に狙うのはオンライン決済サービス市場?(japan.internet.com)

今、IT 業界ではサービスの多様化を模索する企業が増えている。たとえば、Amazon.com は最近、低価格のオンライン データストレージ サービスを開始した。また Microsoft は、『Windows Live』や『Office Live』など Web アプリケーションの展開に夢中だ。そして Yahoo! には VoIP サービス展開の話が出ている。

もちろん、Google も例外ではない。同社が目指そうとしているのは、決済サービス市場のようだ。

Google は16日、新しいオンライン決済サービスの試験運用を限定的に開始した。同社は、ヨーロッパ地域の小売業者向けに、高級志向のオンラインショッピングモールを構築中との噂もある。

Google の決済サービスによって、オンラインデータベース登録サービス『Google Base』で情報販売を行なう場合、購入者のクレジットカード支払いを受け付けることが可能になる。

昨年11月に提供が始まった Google Base は、現在もベータ版のままだ。Google Base は、情報提供者が入力したあらゆる合法的な情報や広告を蓄積/ホスティングし、インデックス化した上で同社の検索エンジンからアクセスできるようにするサービスだ。

アナリストたちは Google Base について、案内広告サイト大手 craigslist の手ごわい競合相手になるかもしれないと予測していた。craigslist は、かつて新聞にとって安定収入源だった求人広告や賃貸住宅情報など、各種サービスの案内広告掲載を受け付けている。

しかし、Google が決済サービスを開始したことで、同社の餌食となりかねない対象の幅が広がった。オンラインオークション最大手 eBay や、eBay のオンライン決済サービス子会社 PayPal が、Google と競合する可能性がある。

PayPal と同様、Google の決済サービスも、Eコマース決済プラットフォームとして他社に提供する可能性がある。現在のところ eBay において3000ドル以下の決済処理を行なった場合、PayPal は0.3ドルプラス2.9%の手数料を課しているのに対し、Google では1回の決済処理につき0.25ドルプラス2.5%の手数料となっている。

検索マーケティング分野のコンサルティング会社 Fortune Interactive の CEO (最高経営責任者) Andy Beal 氏は、次のように述べている。「誰が競合相手なのか、状況を見れば明らかだ。Google は間違いなく eBay や PayPal を狙っている」

これまで複数の企業が、世界規模のオンライン決済処理事業に参入しようと試みたにもかかわらず成功しなかったのは、PayPal がすでに大きな市場シェアを獲得した後だったためだと、Beal 氏は指摘した。

同氏は、次のように語った。「さらに PayPal にとっては、eBay による買収が強いカンフル剤となった。このように強い勢いを持った PayPal に挑戦することは、なかなか容易なことではなかった。しかしここにきて、Google という大物の登場だ。Google には、戦いに挑むだけの勢いがある。そして、これ (決済サービス市場参入) は、Google がこれまでやってきたこと (競合市場への参入戦略) を考えれば、自然な成り行きだ」

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