ディズニー 新作映画470円で家庭向け配信、米29都市 (FujiSankei Business i.)

米メディア・娯楽大手ウォルト・ディズニーが、一般家庭への映画配信ビジネスに本格参入した。十四日、傘下の映画配信会社「ムービービーム」を通じ、全米計二十九都市で映画の有料配信事業を開始。専用の受信機を購入した視聴者は、自宅にいながらにして新作映画を楽しめる。将来的には、同社と関係を深めている米アップルコンピュータの携帯音楽プレーヤー「iPod(アイポッド)」と連携したサービスも登場しそうだ。
 ムービービームの配信サービスは、映画を蓄積できる専用受信機を購入し、契約料などを支払って視聴する仕組み。受信機には毎週新しい映画十本が自動送信され、その中から好きな映画を選ぶ。受信機は最大で映画百本を保管でき、選んだ映画は二十四時間だけ楽しめる。
 受信機の購入費を含む諸経費は約二百八十ドル(約三万三千円)。一本当たりの配信料は新作映画で三ドル九十九セント(約四百七十円)。旧作で一ドル九十九セント(約二百三十円)。ディズニーの作品はDVD発売と同日、それ以外の作品はDVD発売後三十−四十五日後に配信する。サービスが普及すればレンタルビデオ業界に打撃となりそうだ。
 ディズニーのボブ・アイガー最高経営責任者(CEO)は「デジタル時代を迎え、新たな映像供給モデルを構築したい」と語り、最新IT(情報技術)を活用した新サービスに意欲を示した。
 ディズニーは先ごろムービービームを分社化。大株主はディズニー傘下の米大手ABCテレビのままだが、新たにシリコンバレーを代表するIT企業でネットワーク機器大手のシスコシステムズなどが同社に資本参加。ハリウッドの業界関係者は「今後、ハリウッドとシリコンバレーの融合がさらに進む」とみている。日本ではNTTグループがネットを利用したディズニー映画のダウンロード販売を行っているが、ディズニーが日本でサービスを提供する計画はない。(2006/2/16 )

FujiSankei Business i.
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